株主重視の資本主義構造が生んだ悲劇
2008年04月10日
昨日、「まやかしの好景気に騙されない」で、人件費のローコスト化についてお話しました。
ではなぜ、大企業をはじめとする多くの企業が人件費の削減に精を出すのでしょうか?
これは、「株主重視」の資本主義構造が原因なのです。
企業は、株主に利益を還元しなければいけない。
つまり、「利益」を上げなければいけません。
利益を上げなければ、株価も上がりませんし、配当も出せません。
だから、CEOは必死こいて利益を上げようとします。
そして、ちょっと会計を学んだことがある人ならわかることですが、固定支出の一番のネックは人件費。
なので、経営陣はまず「人件費の削減」に目を向けるわけです。いわゆるリストラってやつですね。
で、人件費を削減すると、固定支出の欄が小さくなるわけですから、帳簿上は、利益が当然出ます。
そうすると、四季報などに「企業の業績が上がった」と載るわけですね。
で、その一時的な業績を見て、投資家が投資し、株価が上がるという構造です。
しかし・・・
ここからが悲劇なのです。
なぜなら、短期的視点では利益が出ますが、長期的視点では利益が必ずしも出ないからです。
長期的視点で利益が出ない原因は?
それは、「人件費削減による従業員満足度の低下」です。
単純に考えてみてください。
頑張っても頑張っても給与が上がらない職場。
むしろ、給与が下がってしまう職場。
そんな会社に忠誠心を高めることができるでしょうか?
お客様に対し、良いサービスを提供する気持ちを養うには、従業員の満足度が不可欠。
お客様に喜んでもらえてこそ、ファンになってくれて、継続して取引してくれるのに、その根本となる従業員の満足度を下げてしまっては、元も子もありません。
長期的視点で見たら、従業員の満足度を重視することが大事です。
かといって、株主の満足度を重視するのが資本主義の構造上のルール。
このアンバランスのひずみが今の格差社会を生み、働けど働けど楽にならない社会が出来上がってしまった原因でもあるのです。





