よく起業して「年商」を上げることにこだわったり、「年商」を自慢する人がいる。

しかし、あなたが起業して自由を得たいなら、「年商」にこだわってはいけない。

なぜか?

まず、会社経営で大事なことは、年商ではなく、最終的に手元に残るお金(キャッシュ)だからだ。

キャッシュこそが唯一、信じられる客観的成果なのである。

年商とは、言い換えるなら「売上」。

そんなものはいくらでも「騙し」が可能なもの。


また、「利益」も同様。

こちらもいくらでも「お化粧」が可能なのだ。

近年の粉飾決算などの企業不祥事を見ればおわかりだろう。



つまり、本当に最終的に手元に残ったお金にこそ注目すべきなのである。

にも関わらず、年商にこだわったり、年商を自慢する人は愚の骨頂。

年商だけ高くて、なおかつ、利益も出ているのに、実際に手元にお金がないケースは多々ある。


また、年商だけを見るなら、それが出やすい業種業界を選べばいい。

年商だけ上げたいなら、高額な取引のある住宅業や不動産業をやれば、すぐに上げられる。

たとえば、億の値の家を1年間に一棟でも売れば、それだけで年商1億円になる。

不動産業を営んで10億円のマンションを買って、10億円で売れば、利益はゼロ(むしろ経費を考慮したらマイナス)だが年商は10億円になる。

これを考えれば、年商自慢する人がいかに愚かがわかる。


さらに、もし、「年商が高い会社」が価値あるのであれば、これらの売上が上がりやすい業界の会社の価値、たとえば、株価などは必然高くなるはず。だが、実際にはなっていない。年商が高いかどうかは会社の価値に関係ないからだ。


さらにタチが悪いのは、年商を年収と勘違いしているケース。

商売をわかってない起業家が多くいる。

年商と年収はまったく意味が異なる。

例として、年収なん億円と言っている人が、果たして本当に年収なのだろうか?

わたくしは仕事柄、取引先を調査することがあるが、ネット上で声を大にしている人たちを調べると、はなはだ怪しいケースが多い。

おそらくは、その方が思考停止状態で煩悩全開な人たちに向けたビジネスがしやすいからだろう。

年商を年収と言い放つ彼らの言葉は単なるレトリックに過ぎない。

あなたはこれらの年商と年収をはき違えている人たちの文言には決して騙されてはいけない。



ちなみに、社長の年収額、いわゆる「役員報酬」は、基本オーナー企業であれば社長自身で自由に額を決められる。

会社は赤字なのに、年収5000万円や1億円というケースもやろうと思えばやれる。

それで確定申告した書類などを証明として使うこともできるので注意が必要だ。


もし、本当の年商や年収などを知りたいのであれば、財務諸表を見せてもらうこと。

もし、不可能なら、質問をしながら、それとなく数字を聞き出すこと。

販売数量は広告費、人件費などを聞けばある程度は想像がつく。

かといって、年収や年商を声高らかに自慢する人が、信用に値するかはそもそも疑問ではあるが。